Q&A

全国辛子めんたいこ食品公正取引協議会は、「辛子めんたいこ食品の表示に関する公正競争規約」を自主運用する機関として、全国の辛子めんたいこ業者によって平成元年に設立されたものです。会員は、辛子めんたいこのメーカーである製造会員と百貨店やスーパーなどの販売会員及び包装資材や原材料関係を取り扱う特別会員の3種で構成しています。

当協議会の活動の目的は、辛子めんたいこの過大包装(中身に対して箱が必要以上に大きい等)あるいは誇大・虚偽広告(客観的根拠のない「最高の逸品」、「極上」などのグレード表示や、食品添加物を使用した商品に「無添加」と強調表示すること等)といった消費者の信頼を損なう不当表示をなくすことによって、業界の秩序ある販売を確立し、消費者に安心して買っていただく、消費者に喜ばれる辛子めんたいこを提供することです。

主な事業活動としては、規約や関係法令の研修事業、広報事業、公正マーク商品の審査、相談・調査・指導事業を展開しています。

公正競争規約とは、景品表示法の規定に基づき、事業者やその団体が、消費者庁長官及び公正取引委員会の認定を受けて、表示や景品に関する事項について自主的に設定する業界のルールのことです。

消費者の方々に安心して辛子めんたいこを買っていただくためには、過大包装や誇大・虚偽広告の防止が重要となります。

この規約では、必要な表示事項を規定するとともに、過大な包装や不当な表示を禁止しています。規約の条項は、景品表示法(消費者庁)、JAS法(農林水産省)、食品衛生法(厚生労働省)等の関係法令に関する事項を広く取り入れていますので、規約を守っていれば、これらの関係法令の違反防止に役立てることができます。

過大包装、誇大・虚偽広告などの辛子めんたいこの内容量や品質を誤認するような紛らわしい表示が行われますと、競争業者の顧客を不当に誘引するだけでなく、消費者の適正な商品選択が妨げられることになります。したがって、こうした不当表示をなくすため業界の実態・商品の特性に合った独自の基準を設けた表示規約が必要なのです。

辛子めんたいこの包装紙などについている公正マークは、全国辛子めんたいこ食品公正取引協議会が厳正な審査を行って、辛子めんたいこ食品の表示に関する公正競争規約に従って適正な包装や表示をしていると認定した会員の商品に限って表示できるマークです。したがって、消費者の皆さんにとってはお買物の目安となる「安心マーク」です。

一方、公正マークのない商品は、全国辛子めんたいこ食品公正取引協議会の審査を受けずに、辛子めんたいこの製造業者や販売店がそれぞれの責任の下に包装・表示をしたものですので、全国辛子めんたいこ食品公正取引協議会が適正表示を保証した商品ではないというものです。

辛子めんたいこ食品以外では、「飲用牛乳」、「はちみつ」、「ローヤルゼリー」、「ハム・ソーセージ」、「生めん類」、「食品のり」、「みそ」、「釣り竿」、「ドレッシング類」、「もろみ酢」、「食用塩」など17の商品に公正マーク制度が設けられています。(2019年5月現在)

辛子めんたいこは、塩たらこ(すけとうだらの卵巣を塩づけしたもの)に唐辛子を主原料とする調味液等で味付けした加工食品です。この味付け加工は機械で処理できるものではなく、全て手作業で行われています。すなわち、辛子めんたいこは全てが「手造り(手作り)」によって商品化されていますので、「手造り(手作り)辛子明太子」と表示された商品が他の明太子より品質面で優れているという客観的な根拠はありません。つまり、「手造り(手作り)」が標準的な製法であって、「手造り(手作り)」表示の有無による品質の違いはないということです。
しかし、「手造り(手作り)辛子明太子」の表示が行われた場合、「手造り(手作り)」表示のないものは品質が劣るものと消費者に誤認されるおそれがありますので、当協議会としては、全てが「手造り(手作り)」であるのに、それをことさら強調することは消費者の誤認につながることから、業界の適正表示ルールとして「手造り(手作り)」、「本造り」などの用語の使用を禁止し、ルールの定着に努めています。

従前、辛子めんたいこの味付け加工法には、「調味液漬け」と「まぶす」方法とがありました。その後「まぶす」方法は用いられなくなり、現在では、ほとんどが「調味液漬け」の加工法になっていますが、「まぶす」方法が多用された時期に、業界では、「まぶす」方法に対比する用語として「調味液漬け」のことを「本漬け」と表現していたのです。
したがって、「本漬け」とは、現在の味付け加工法の主流となっている「調味液漬け」のことであり、「本漬け辛子明太子」と表示された商品が他の明太子に比べて特別な味付け加工をした商品というものではありません。
この表示についても、「手造り」、「本造り」の表示と同様に、「本漬け辛子明太子」の表示が行われた場合、「本漬け」表示のないものは品質が劣るものと消費者に誤認されるおそれがありますので、当協議会としては、味付け加工法が標準的な「調味液漬け」と差異がないのに、異なる表現を用いて品質の優良性をことさら強調することは消費者の誤認につながることから、業界の適正表示ルールとして「本漬け」の用語の使用を禁止しています。

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)とは、食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法です。

この手法は 国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表され,各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。

衛生管理手法の国際標準であるHACCP については、これまで、大規模事業者を中心に普及が進んできましたが、中小事業者では依然としてその普及が課題となっています。また、食中毒統計調査によると、食中毒の発生件数などは、近年下げ止まりの傾向にあり、さらに、食品に起因する感染症の実態は、統計の100~1000 倍とする研究もあります。

今後、高齢化人口の増加に伴って、食中毒リスクが高まっていくことも懸念されます。さらに、ガラスや金属など危害性のある異物混入による食品回収事例の告知件数が増加傾向にあります。HACCP による衛生管理は、先進国を中心に義務化が進められており、我が国から輸出する食品にも要件とされています。我が国においても、食品事業者の皆さんにHACCP による衛生管理に取り組んでいただくことで、国内に流通する食品全体の安全性の向上につなげたいと考えています。

・HACCPに沿った衛生管理の制度化の概要(厚生労働省HP)

・HACCPに沿った衛生管理の制度化の詳細(厚生労働省HP)

2018年(平成30年)6月13日に公布された食品衛生法等の一部を改正する法律では、原則としてすべての食品等事業者の皆様にHACCPに沿った衛生管理に取り組んでいただくことが盛り込まれています 。ここでは、HACCPに沿った衛生管理の制度化に関してよく寄せられるQ&A についてリンクしています。

・HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&A (厚生労働省HP)

「又は表示」を使用する際は、消費者の誤認防止のため、容器包装に、産地別使用実績又は産地別使用計画に基づく表示である旨の注意書きが必要となります(従来通り)。

さらに、使用量が極めて少ない原産地についても、消費者が誤認することを防止する必要があるため、一定期間における使用割合が5%未満である対象原材料の原産地については、当該原産地の後に括弧を付して、一定期間における使用割合が5%未満である旨を表示する必要があります(新規の表示)。

農林水産省の原料原産地表示の関連HP「加工食品の原料原産地表示制度について」内で(1) 「新しい原料原産地表示制度-事業者向け活用マニュアル-」、(2) マニュアル別冊「実践 チェックリストと表示例」、(3) 原料原産地表示制度 関係規程集(Q&A)へリンクしておりマニュアル等をダウンロードできます。

・加工食品の原料原産地表示制度について (農林水産省HP)